女性的バローロの最高峰ラ・モッラの最上クリュ“アルボリーナ”に畑を所有。 父マルコと叔父エリオ・アルターレの元で修行した当主ナディアが、徹底した手間暇をかける有機農法ゆえの「無濾過・無清澄」によるピュアで女性的なバローロを生み出す。 畑の個性に合わせた2つの醸造スタイルで唯一無二のテロワールを表現する。
クルト家のワイナリーとしての歴史は、現当主ナディア氏の母であるアデーレが、100年以上続くブドウ農家兼畜産農家であったクルト家に、実家の4haのワイン畑(クリュ・バローロ最上の畑の1つ)「アルボリーナ」と共に継いだ時から始まった。アデーレは名門アルターレ家の⾧女であり、「アルボリーナ」は高名な弟エリオ・アルターレと分け合った銘畑である。
アルボリーナは、女性的バローロの最高峰とされるラ・モッラ村において、「アヌンツィアータ」と並び称される最高峰クリュの1つであり、現当主ナディアの叔父にあたるエリオ・アルターレの看板畑でもある。香りが高く、優美なバローロを生むラ・モッラの中でも、凝縮した果実味と芯のあるミネラル&酸を持つバランスに⾧けたバローロを生むテロワールである。
二代目当主ナディアがワイン造りの哲学の基礎としておいたことは、“アルボリーナのテロワール”を最大限に表現すること。
ベルベッティなフェノール(タンニン)を持つ果実が熟す南向きのアルボリーナでは、叔父エリオが学んだモダンスタイルの醸造を、そしてアルボリーナの中において東向き急斜面にあり、凛とした固めのフェノールとしっかりしたミネラルの構造を持つ果実を生む、小区画「ラ・フォイア」では、酸化型醸造であるクラシックスタイルの醸造を行っている。
画一的な醸造スタイルに拘るのではなく、あくまでもアルボリーナ、そしてラ・フォイアそれら銘畑のテロワールを表現する「手段」として、最も適した醸造法を採用する、つまり「目的」をテロワールの表現とおく、まさに「テロワール・バローロ」の旗手である。
“2つの血筋と1つのアルボリーナに2つのテロワール、そして、2つの醸造スタイル”。ラ・モッラ最高峰区画アルボリーナのテロワールの個性を追求するナディアの旅は続く。