アンモナイトの化石が点在する太古のテロワールにて、本物のシノンを体現する、シノンの代表格ボードリー
ドメーヌのあるクレヴァン・レ・コトー村は、トゥーレーヌ地域の主要都市トゥールの西方、ヴィエンヌ川沿いに位置する。テュフォーと呼ばれる石灰岩の断崖にへばりつくように家が並ぶ細長い集落である。この丘の斜面はかつて建築資材用の石切り場であり、ボードリー家もこの白いテュフォーから家を作り、石を切り出した後の洞窟を今でもカーヴに利用している。
同家は数世紀にわたって、この村でワイン造りを営んできたが、当主ベルナール氏が2haを相続することによって設立。その後、購入・メテヤージュで栽培面積を拡大。現在30haの畑からテロワールごとに全部で5つのキュヴェの赤と極少量の白とロゼを生産している。除草剤や化学肥料は一切使用せず、鋤き入れを励行して土壌を活性化させる。シノンでは機械摘みによる収穫が主流だが、ボードリー家では100%手摘みにしている。100%除梗。発酵時には温度管理に長けているステンレスタンクと、適度な空気の接触のあるコンクリートタンクを併用している。テロワールを尊重するため、新樽は一切使用しない。
2000年より息子のマチュー氏もワイン作りに参加。若いだけでなく知的な情熱家は、今や父ベルナール氏と並んで頼もしいドメーヌの顔となりつつある。