「ロッシュ・オー・モワンヌ」「クーレ・ド・セラン」と並び、 ロワール初のグラン・クリュ認定間近と言われる銘醸地「ブレゼ」の最上区画を所有。 もはや「芸術品」の域にある偉大な赤白のワインは、ソミュールの名を世界に轟かせる <ドメーヌ・ギベルトー>
“20世紀のフレンチ・ガストロノミーに多大な影響を与えた、かの伝説的美食家キュルノンスキーが「ロワールで最も偉大なテロワール」と語った「ブレゼ」の丘の畑。(食通の王様、“フランスの魯山人”。タイユヴァン等のグラン・レストラン達と共に、フランスの食文化普及を目的に「レ・ザミ・ド・キュルノンスキー」を設立した名士。日本支部もある)
現在、サヴニエールの「ロッシュ・オー・モワンヌ」「クーレ・ド・セラン」と並び、ロワール初のグラン・クリュ認定間近と言われる銘醸地「ブレゼ」に所有畑の50%(7ha)を保持するドメーヌ。とりわけ「ブレゼ」内の最上区画にしてモノポールの「クロ・デ・カルム」(Clos des Carmes)は、ギベルトーの名を世に知らしめた伝統的ワインを生み出す。
70年代後半以降、フルーティで軽いソミュールがもてはやされる中、熟成力のある「クラシック・ソミュール」を造り続けたのが、クロ・ルジャールのフコー兄弟であるが、その愛弟子として王道ソミュールを継承し、ロワール最上としての栄光の歴史を取り戻すべく、90年代中盤に独立した若者がロマン・ギベルトーである。
赤ワインを得意としたクロ・ルジャールに対し、高純度でいて圧倒的な大地の力、荘厳なエナジーを湛えた堂々たるロマンによる白ワインは、ジャーナリストやソムリエたちに衝撃を与え「ギベルトーのオートクチュールワイン」、「このドメーヌに出逢えた心の底からの感動、神からの恵みはない」等、この上なき称賛を浴びる。
モノポール「クロ・デ・カルム」は、DRCのモンラッシェのような強さと優雅さ、洗練を兼ね備えた作品。非常に長く優れたバランスの余韻。10年以上熟成させたコシュ・デュリの“コルトン・シャルルマーニュ”のようなやや熟した果実味と仄かな白トリュフ香、余韻に黄金のような輝きを呈す高級蜂蜜のような上品な甘美さを携える。堅固で鋼の如き長期熟成型のクラシックなワイン。
「ブレゼ」のワインは、力強いミネラルのパワーとエネルギー感に溢れ、非常に複雑で濃厚ながら、エレガントさを兼ね備え、ルロワのシュヴァリエ・モンラッシェをも彷彿とさせる点もコシュ・デュリと同様である。
上代約1万円のワインながら、価格が何倍にもなるブルゴーニュの偉大な造り手たちのグラン・クリュがもたらす至福の時間を楽しむことができる。