ブルゴーニュのビオのパイオニア。 極めて自然な造りから生み出されるワインは、ピュアリティの中に精緻な美しさを纏い、 湧き上がるようなエネルギーを持つ。 王侯貴族が最も愛したヴォルネイのトップ・ドメーヌ <ロブレ・モノ>
"世界のワイン愛好家から「ブルゴーニュの神様」と讃えられる、20世紀最高の醸造家、アンリ・ジャイエ。伝説となったジャイエのピノ・ノワールの世界を再現するかのようなワインを造り出すのが、ロブレ・モノ。
ピノ・ノワールの究極的な美を体現するようなワインを造りながら、日本ではあまり知られてこなかったドメーヌだが、当主のパスカル・モノは、ブリニー・レ・ボーヌという村でひっそりと暮らし、ワイン造りに関しては、かのジャイエやコシュ・デュリのように、目立ったことはせず、こつこつと少しずつ確かに、自然と向き合って美しい仕事だけをしてきた。
庭に小さな花が咲いているのを目にするだけで、涙をこぼしてしまうような、静かに心の中に詩を刻みながら、自分だけの美しい世界観を見ている人。
決して気取ることもなく、強い主張や立ち振る舞いにも派手さはないが、「クリスタル的ピュアさ」と表現されるほど、透徹した美意識が貫かれた、かくも美しいワインを造り出す。
そんなロブレ・モノが拠点を置くのは、1300年代、ブルゴーニュで最も高名であったヴォルネイ。
1477年、ブルゴーニュ公国がフランス王国に併合された際、時の国王ルイ11世もヴォルネイに惚れ込み、ヴォルネイのワインを独り占めしたという。ヴォルネイこそが、ブルゴーニュで最高とされ、王侯貴族を喜ばせてきた歴史を持つこの村で、70年代いち早く自家元詰めを始めたドメーヌ、ダンジェルヴィーユ家、モンティーユ家、ラファルジュ家やプス・ドールがトップ生産者として牽引してきた。
90年台後半以降、世代交代が進んだ今、ブルゴーニュの造り手達の間で、ヴォルネイで最高のワインを造ると評されるのがロブレ・モノである。
さらに、祖父の時代から除草剤を一切使用せず、97年からビオディナミを実践する“ブルゴーニュのビオのパイオニア”でもある。
ロブレ・モノのワインに表現されるクリスタルの如き透明感のあるピュアで清らかな世界。同時に、自然の畏怖さえ感じさせる大地のエネルギーを湛えたワイン。
比類なきロブレ・モノならではの味わいと世界観は、祖父の時代から除草剤に汚染されていなかった畑を継承後、ブルゴーニュで誰もビオロジック栽培さえ行っていなかった90年代後半からビオディナミを実践。植樹密度をルロワの一部の畑のように、驚愕の12,000本/haまで高め、収量は30-35ha/haまで抑え、また、DRCやかつてのアンリ・ジャイエのような極僅かのトップ・ドメーヌ同様、赤ワインで長期シュール・リーを行う等、究極的な栽培やワイン造りから導き出されてきたもの。
「クリスタル的」と表現されるが、決して氷のように冷たく、近づき難いクリスタルではなく、そこはかとない優しさ、上品でふわりとした甘やかな果実味に包み込まれるような透明感、ピュアリティである。自然を愛し、大地と生きる、“農民詩人”のようなパスカル・モノの優しさがワインにも表れている。"