冷涼な気候とミネラル豊かな土壌からシャンパーニュ等に比肩するポテンシャル。 チャコリとしては異例の10カ月間超に及ぶ長期シュール ・ リー によるワインとしての完成度の高さを持つガストロノミーに捧げる至高のチャコリ<アシベリアック>
巨匠、パブロ・ピカソの絵画で一躍有名になったバスク州ビスカヤ県の街、ゲルニカの西16km先にあるイバランゲル村。ビスケー湾南部、カンタブリア海を望む、碧い絶景の岬にワイナリーはある。
「ビスカイコ」地区は沿岸部からやや内陸部に広がるD.O.のため、海に最も近い「ゲタリアコ」と内陸部の「アラバコ」の中間的味わいとして一般的には知られるが、アシベリアックの畑はいずれも海側にある。
イベリア半島で最も重要な湿地帯と言われる、ユネスコ生物圏保護区に指定されている「ウラダイバイ河口自然保護区」内、ゲルニカの街の南北2地区「Errigoiti(エリゴイティ)」と「Mendata(メンダタ)」に畑を所有する。
それぞれ海から10km、13kmと近いため、冷涼な海風の影響を強く受け、夏でも最高気温が21-25程度と、シャンパーニュ並みに涼しい。土壌にもシャンパーニュと同じ石灰岩が見られる。
シャンパーニュに類似した特別なテロワールを生かし、白葡萄のみで(オンダラビ・スリとセラティアが95%、残り5%はリースリング、シャルドネ、ソーヴィニヨン)、シャープな酸とミネラル感豊かな長期熟成が可能なブラン・ド・ブランのみを造る。
ワイナリー名の「Hasiberriak」とはバスク語で〈新参者〉〈初心者〉という意味。イバランゲルの小さな村にワイナリーができると知った村人の中には「彼らは新参者で初心者だからチャコリ造りなど無理だ!」と言う人もいたが、彼らにとっては「新しい冒険の始まりにはピッタリの名前だ!」と思いワイン名とした。
また、<Hasiberriak>のsをzにするとバスク語では「Haziberriak=新しい種」の意味になり、チャコリ造りの世界に飛び込む自分たちにふさわしい言葉であると思ったという。
ワインを造るのは、ともにエンジニアとして活躍していたアルカイツとダビットの二人。2017年に二人で創業したマイクロ・ワイナリーである。
ワイン好きであったアルカイツは、自らワインを造りたいと思い、2001年に畑を購入したが、経済的な問題から断念していた。一方のダビットの実家は葡萄の栽培農家であったが、ダビット自身は継ぐ意志がなくエンジニアとなった。2016年、父のメンペがなくなると、11年間共に働いてきた同僚であり、ワイン造りの夢を抱いていたアルカイツを誘い、ワイナリーを立ち上げることを決意。
ダビットの祖父が1950年に購入した土地、メンダタ地区にある「NEKESOLO(ネケソロ)」という土地に、父のメンペが1998年に植樹した区画に加え、エリゴイティ地区に長く放置されていた畑を新たに購入し、2017年にワイン造りを始める。
2020年からようやくレストランやホテルへの発売を開始。ビオによる丁寧な栽培、チャコリとしては驚異的に長い10カ月間超の長期シュール・リー熟成で造られる“ワインとしての完成度の高いチャコリ”は、リリース直後から、地元のシェフやソムリエの間で評判を呼び、星付きレストランでもオンリスト。また、スペインワインの評価本『ギア・ペニン』でもファースト・ヴィンテージから91点の高得点を得た。
所有するのは2区画「エリゴイティ」と「メンダタ」。
区画〈1〉 「エリゴイティ」 2ha
・ 標高385M
・ 南東向き(=朝日の影響を受ける)
・ ビスケー湾から10km
=よりダイレクトに海からの影響を受ける
=より冷涼(メンダタより収穫2週間遅い)
・ 泥灰土(石灰岩/炭酸カルシウム混じりの粘土)
「メンダタ」に比べてアルコール低め、酸は高め、花>果実の香り、ピュリニー的ミネラルが特徴。
区画〈1〉 「メンダタ」 1.6ha
・ 標高265M
・ 南西向き(=午後の強い日差し日の影響)
・ ビスケー湾から13km
・ ドメーヌで最も樹齢の古い「ネケゾロ」の区画
・ 石灰岩混じりのシルトやローム質粘土
「エリゴイティ」に比べてアルコール高め、酸は低め、果実>花の香り、力強いボディとストラクチャが特徴。
「エリゴイティ」の畑は完全なビオディナミ栽培で認証も得る。「メンダタ」」の畑は完全なビオディナミ栽培ではないが、除草剤や除虫剤は一切使用しない限りなく自然な農法。(ワイン造りに関してはいずれの畑のワインもビオディナミ・カレンダーに沿って行う)
一般的なベーシック・チャコリは瓶詰め1年以内の若飲みが推奨されるが、アシベリアックは2-3年後もスティルワイン同様に熟成感を楽しめる、至高の《プレミアム・チャコリ》である。