ポルトガルの首都リスボンから南西に約1000kmの所に浮かぶマデイラ島。当時の開墾者たちが、この広大な原生林に火を放ち、この土地を開拓した。現在、マデイラ島の畑は、その時に燃え尽きた原生林の灰土壌で形成されているとも言われる。火山性の島であるマデイラ島の葡萄畑は、非常に急勾配の斜面に位置し、特に海岸線に切り立つ断崖を段々畑に開墾して栽培を行うさまは圧巻。現在葡萄畑が在る場所は、何世紀も前から造られた土砂崩れを防ぐ為の小石を積み上げた壁が複雑に入り組んでおり、これにより、水はけの良い土壌を形成している。
このマデイラ島に、開墾当初から畑を所有していたのが、トーマス・スラップ・リアコック氏。同氏は、フィロキセラ禍において、独自の処置方法を開発。マデイラ島の伝統品種を守りまた再発防止に努めるといった功績を残した人物でもある。トーマス・スラップ氏の死後、息子ジョン・リアコックは、1741年、わずか15歳の時、マデイラ島に渡りマデイラ・ワイン生産者のもとで8年に及ぶ修行を積み、帰国後マデイラ・ワインの輸出会社を設立した。 また、ジョンは父の功績を継いで、ジョン氏自身も、フィロキセラ対策委員会に参加し、リアコックス社所有のセント・ジョン・ヴィンヤードにおいて、フィロキセラに耐性のあるアメリカ産ヴィティス・ラブラスカの苗木を栽培し、フィロキセラ防止に大きく貢献した。その後1925年、リアコックスは、マデイラ・ワイン・カンパニー(旧マデイラ・ワイン協会)に合併された。リアコックスは現在、マデイラ・ワイン・カンパニーの中でも歴史と伝統を誇る主力ブランドとして、イギリスはもとより、アメリカ、スカンジナビア半島で多く愛顧されている。 |